箱男
最近の住宅には、カメラ付きインターホンが珍しくなくなってきたように思います。
住人側はカメラを通して、玄関を開けずに訪問者の顔を見ることができます。
訪問者からは、玄関が開かないと、住人の顔を見ることができません。
安部公房著「箱男」(新潮文庫)は、
覗き窓を開けたダンボールを頭からかぶり、街を彷徨する男の話。
箱男は、ダンボールの覗き窓から風景を見るけれども、他者から箱の中の自分を見られることが無い。
見られずに、見ること。
この小説は昭和48年に刊行されたのですが、現代社会を予言していたかのようです。
街のあちこちに設置された防犯カメラ、高齢者の所在不明、マンションにおける幼児置き去り・・・。
家族なのにわからない行方、近所に住む人が誰なのかわからない匿名の市民。
箱男は、特徴の無いダンボールをかぶることで、匿名の存在になっている。
この小説にリアリティーを感じるとすれば、
それは現実が「箱男」に近づいたから、といえるかもしれない。
住人側はカメラを通して、玄関を開けずに訪問者の顔を見ることができます。
訪問者からは、玄関が開かないと、住人の顔を見ることができません。
安部公房著「箱男」(新潮文庫)は、
覗き窓を開けたダンボールを頭からかぶり、街を彷徨する男の話。
箱男は、ダンボールの覗き窓から風景を見るけれども、他者から箱の中の自分を見られることが無い。
見られずに、見ること。
この小説は昭和48年に刊行されたのですが、現代社会を予言していたかのようです。
街のあちこちに設置された防犯カメラ、高齢者の所在不明、マンションにおける幼児置き去り・・・。
家族なのにわからない行方、近所に住む人が誰なのかわからない匿名の市民。
箱男は、特徴の無いダンボールをかぶることで、匿名の存在になっている。
この小説にリアリティーを感じるとすれば、
それは現実が「箱男」に近づいたから、といえるかもしれない。
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